高卒で前職は飲食業だった僕がIT業界に転職してから、一番最初に行った現場が監視の現場でした。今回は監視現場の業務内容やIT未経験で実際に監視業務をやっていたときのことをまとめます。
これから監視の現場に行く人やIT業界を目指す文系学生や就活民の参考になれば幸いです。
※本記事は私なおが経験した体験談であり、全ての監視現場がそうではないことは悪しからず。一部感情が全面に出てしまってる表現がありますがご容赦願います。
そもそもネットワークの監視業務とは?
まず、ネットワークの監視業務とは、、ってなりません? 経験者からしたら今さら疑問もないと思いますが、全くのIT未経験の僕が初めて配属が決まり、そこで監視業務をするって聞いた時は、本当に監視カメラの映像を見て怪しい奴がいないかチェックする映画のワンシーンを想像していました笑
ただ実際の監視はもっと地味で退屈なものでした。※個人の感想です
と同時に、ITインフラにとって欠かすことのできない業務であることがわかりました。
ネットワークの監視とはざっくりいうと、ネットワークを構成する機器が正常かどうかを常にチェックし、異常が起きたら復旧に向けて対処する仕事です。
監視業務の必要性とは
監視業務はつまらないと先ほど言いましたが、重要度で言うとめっちゃくちゃ重要です。
そうです、重要度と面白さが反比例している理不尽業務です。(消されないか心配)
わかりやすくいうと、私たちが身近に使っているサービスであるATMや公共交通機関、最近だったらワクチン接種などには全てネットワークが関わっています。それらのネットワークが止まってしまったらとんでもない影響が出るのは想像できますよね。なので、それらのサービスを止めないために異常の早期発見・対処を行うのが監視業務です。
重要でしょ?
ネットワークの監視方法
ネットワークの監視方法は多岐に渡ります。技術的なことも絡んでくるため別記事にする予定ですが一部簡単に説明すると、
監視対象であるネットワーク機器(スイッチ、ルーター、ファイアーウォール等)に向けてpingを一定感覚で飛ばし続けて疎通状態を確認したり、SNMPプロトコルを用いてCPU使用率や機器の温度などの情報を収集し異常値を超えてないかチェックしています。
もし異常があった際はアラートが発砲され現場にあるパトランプが鳴動するようになっています。エヴァが暴走した時みたいに。

なので監視してる人は常に目視で監視してるわけではないです。(運用によっては目視もあるかも)
障害が起きた際の対応方法
僕がいた現場ではネットワークに障害が起きるとパトランプが鳴動するシステムでした。それをきっかけ(トリガー)にして対応を開始します。

ネットワークの利用者(お客様)に電話やメールなどで異常を報告します。また、障害が起きた該当機器の状況をお客様にヒアリングしたり、Tera Termというツールを使って遠隔で機器にログインして機器の状態やログを確認したりします。
また、客様によってはSLA(Service Level Agreement)が決まっています。
SLAというのは「異常を検知してから〇〇分以内にお客様に一報しなければいけない」というルールがあり、もしこの〇〇分を過ぎてしまった場合、そのお客様に返金対応をしなければならないというのが契約で決まっています。
なので僕はSLAがわからなくならないようにタイマーを設定して対応してました。料理の時にキッチンタイマーをセットするように笑
また障害の復旧時もお客様に連絡します。
未経験で入ってつらかったこと
マジで辛かったことは主に2つ。
1つ目は知識がつくまでは自分が何をしていいのかさっぱりわからなかったことです。
監視してるネットワークの数は1000種類ぐらいあり、お客様によって契約が異なるため障害発生時の対応方法が異なります。
もちろん対応マニュアルが各案件ごとにあるのですが、その対応マニュアルが見づらいのなんの笑やたらページ数があるため、ある程度何がどこに書いてあるのかを暗記しておく必要がありました。
SLAがある案件は決められた時間内に障害原因を調べてページ数の多いマニュアルから対応方法を導き出し、お客様に連絡をしなければいけないため障害が起きたら現場に緊張感が走ります。
そんな中、何も知識のない自分は何していいかもわからず、最初の1年くらいは上司から指示されたことを淡々とこなすことしかできませんでした。
2つ目はお客様とのやりとりです。
入って1ヶ月ぐらいの電話でのお客様のやりとりです。↓
客「うちで使ってる○○の○○が○○っぽいんですけど、○○することってできますか?」
僕「????」
こんな状況が数え切れないほどありました。
とりあえず、聞いたことを上司にそのまんま伝えることしかできないんですが半分くらいは聞いたことない単語なんです笑
感覚としては小学校の遠足バスの中でやった伝言ゲームのIT版ですね。しかも間違えたら責任問題になる。

監視業務のデメリット
監視業務をやる上でのデメリットはこちら。
やりがいを感じづらい ←ほんとにこれに尽きる
なんでやりがいを感じづらいかというと、
例えばシステムエンジニアならシステムが完成した時やリリースした時、自分の書いたコードがうまく動作した時は楽しいと感じます。
ネットワーク構築業務であればしっかりと疎通の取れたネットワークが張れた時に達成感があるかもしれません。
しかし、監視は障害が発生・復旧したからといってやりがいを感じることはないでしょう。
そもそも障害の発生原因は主に自然災害によるもの・お客のミスによるもの・構築のミスの場合が多いです。
地震や停電が起きたらアラームが鳴りますし、お客様が勝手に機器を触った場合もアラームが鳴ります。障害が発生してよくよく調べて行ったら構築側のミスということもあります。
その場合のお客様の対応も全て監視部隊がやらなければなりません。その際にお客様にガミガミ言われることも少なくないです。このお客様から電話がかかってきたらやばいみたいな客のブラックリストもありました。
そんなお客様対応をしたところで、やりがいを感じないことは想像に容易いかと思います。
加えてネットワークの監視は24時間365日が当たり前なので夜勤というのがあります。
夜起きてるのが辛い方や夜勤による体調不良や生活リズムの乱れが激しい方はデメリットと感じるかもしれません。

監視業務のメリット
・暇な時はやることがない
・今後、別の業務に携わる際に役に立つ
ネットワークに障害が起きなければ基本的には監視部隊は暇なので、資格の勉強をしたり読書をしたりできます。夜勤であればずっと寝てる人もいます。
暇な時間を有効活用するのが、監視業務のやりがいかもしれません。
また、今後運用や構築などの業務に携わる際に監視の目線で物事を考えることがでるようになります。
監視目線での考え方はインフラエンジニアとしては非常に大事です。
対応マニュアル作成やネットワークの構築においても監視部隊のことを考えないで進める人が意外に少なくないんですよ。そういった場合、見づらいマニュアルや訳のわからないネットワークができてしまいサービスの質にも直結してきます。本当にスキルのあるエンジニアを目指すのであれば一度は監視業務を経験しておく必要があります。
まとめ
今回は自分が未経験で監視業務に携わった時のことをなるべくその時の気持ちのまま書きました。監視業務に携わる方やこの先IT業界に転職する方の参考になれば幸いです。
ネットワークエンジニア・インフラエンジニアの中での監視業務はやりがいを感じづらく、覚えることも非常に多いと思います。しかし、空き時間に資格勉強ができる点や今後のキャリアの下積み期間として考えればエンジニアとして大きく成長できる業務であることは間違い無いです!
皆さんの監視での経験やその他質問ございましたらコメントお願いします!
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